ふかい闇の海上にシー・タイガ号はエンジンをとめた。 　正（まさ）に午前一時だった。

玉太郎の心は、ようやく落ちつきをとりもどした。 「もう、じめじめしたかんがえはよそう。これから先の運命は、神様におあ...

玉太郎はがっかりした。 　しかしこういう穴の入口らしいところを見つけたことは一つの成功だと思った。あとでゆっくり中を...

沼のふちをようやくまわって、問題の崖（がけ）の下にでた。 　茶褐色の土の下から、雑草がのぞいているところもある。大き...

その地震は、三十秒ぐらいつづいて終った。ほっとするまもなく、また地震が襲来した。

また。ポチがいなくなったって。なあに、だいじょうぶ。硝石なんか積んでいたモンパパ号とちがって、これは島なんだから、爆...

うわッはっはっはっ。うわッはっはっはっ」 　ラツールの笑いは、まだやまない。

筏は、海岸に近づいた。 海底はうんと浅くなって、うす青いきれいな水を通して珊瑚礁が、大きなじゅうたんをしきつめたよう...

「恐竜島ですって。恐竜島というのは、そんなに恐ろしい島なの。ねえ、ラツールさん」 玉太郎は筏の上にのびあがり、顔をし...

雲がどんどん流れさって、太陽が顔を出した。 　太陽の高さから考えると、嵐は五時間ぐらい続いたことになる